2011年03月19日

まんがタイムきららミラク Vol.1 クロスレビュー

今年に入って4コマ雑誌は揺れ動いています。
タイムラブリーのリニューアルでストーリー4コマ誌の誕生。
角川がnanoエースで4コマ参入。
ぱれっともリニューアルを画策中。
そしてきららから新しい4コマ誌を創刊。

3月16日に創刊された「まんがタイムきららミラク」は、『もっと自由に4コマを。』とコピーを打ち、殆ど商業に出てきたことのない作家陣を新創刊雑誌に載せて送り出してきました。

不安になるは当然。

でも、読んでみると意外や意外。しっかりとした「きららの4コマ誌」になっていました。
ともあれ、掲載陣の短評と共にレビュー。



■Pick Up !

柊ゆたかさん「Good Night! Angel」
高校デビューで普通の女子高生になりたい殺し屋4コマ。
しっかり4コマしている上にテンポが良く、またストーリーとしても面白いです。
第一話のヒキも、これからの展開が楽しみになる。早くもvol.2が待ち遠しい。
殺し屋ということで、ソーニャとかち合う日が来るかも!?と夢想したりしています。

奄美あまゆさん「Lisa Step!」
イギリス人女教師4コマ。
「こんな職員室、ずるい!!」という声が各所から上がることでしょう。
天然入っているリサ先生が可愛い。

にきさん「福33三色パンチ」
美大生同居4コマ。
三者三様の三名が出会って即日ルームシェアするため借りた家は曰くつき!?という展開から始まる生活。
美大の濃い人たちの濃い出来事が巻き起こりそう。

小波ちまさん「リリィ」
悪魔っ娘ストーリー4コマ。
無邪気で小悪魔的な妹と包容力の姉という姉妹である時点で勝ち組。
そこに訪れる非日常。続きも気になる。テンポも良。

はりかもさん「夜森の国のソラニ」
気が付くと不思議な世界に迷い込んでいた!?ファンタジー4コマ。
きゆづきさとこさんを彷彿とさせるストーリー4コマ。コマの使い方なども群を抜いている。
棺担ぎのクロ、境界線上のリンボに次ぐストーリー4コマとなる可能性を持っていると思います。



■短評

作者名作品名短評
タチさん桜Trickかしまし女子高生仲良し組の日常4コマかと思いきや、弩級の百合4コマでした。4コマでここまでマジキスしている作品はなかった・・・ッ!
眉毛さん純粋欲求系リビどるファンタジーハーレムラブコメ。ジャンプ系のラブコメを4コマにしたかのような作品。ただもう少し設定が判りやすかったらな。
西瓜割さんメラン・コリーこの中に一人、夏休みのやつがおる・・・!スイカ擬人化?
nameさん前から2両目「電車内というのがいいんですよ!」この一言に尽きる。
あfろさん月曜日の空飛ぶオレンジ。これオレンジちゃう。スイカや。
川井マコトさんにじげんめのうた部活動4コマ。主人公の悩みと物語のテーマがきちんと見えて良い。
tetiさんおきまりラブ少女漫画的ラブコメ願望4コマ。
パインさんきしとおひめさまSFストーリー4コマ。物語としては面白そう。どちらかというと4コマじゃない形で読みたかったかも。
双三ヒロさんSeed不思議な世界観のストーリー4コマ。まだまだ状況が見えない。
CUTEGさんSweet Magic Syndrome茶道部4コマファンタジー入り。甘味成分たっぷり。
さがら梨々さんルンルルコミュニケーションアパート4コマ。ここは日本なのかが一番気になります。
パインパさんるーてぃんルーティンネット4コマ。オフ会開催でラブコメ展開になると面白くなりそう。
白滝きのこさんびぎなーず9野球4コマ。動きのあるシーンを4コマのコマ割りで魅せるのが少し窮屈な印象。




■総合

「ほぼ漫画初挑戦」という触れ込みがあったため、身構えていた手はすっかり降ろされてしまいました。
編集部の言う「自由」が、どの部分を指すのかは不明のままですが、敢えて推察すると、ストーリー4コマという所に自由を見出しているのではないでしょうか。

全体的に1本1本完結していく4コマスタイルではなく、ストーリー展開を持つ4コマとなっている作品が多いです。
元々「萌え4コマ」と呼ばれるきららの4コマ作品は、1本1本のオチが弱いというのは言われてきていることですが(勿論そうではない作品もありますが)、それでも1話単位ではしっかり完結している作品のほうが多かったです。

しかし、ミラクでは「次回へ続く」展開のものが多い。
編集部の付ける「柱」にも、「◯◯が始まった!」や「次回はどうなる!?」というパターンが多く見られます。
勿論、創刊号ですべての作品が新連載であるため、今後の展開を楽しみにさせるために取った施策である可能性もあります。
ただやはり、話の終わりのヒキ方は、少し違う印象を持ちました。
作品あたりのページ数も10P〜14Pと多いのも、「ストーリー4コマ」を中心に据えた影響ではないでしょうか。

ストーリー4コマにドキドキ☆ビジュアルの進化を見たきらら編集部。
この進化したきららミラクという多様性の一つは、今後生き残り、新しい漫画の形になるのでしょうか。
全ての4コマがこの形に進化するということはないでしょう。
でも、私は「ストーリー4コマ誌」を声高に銘打っているタイムラブリーよりも、ミラクに未来を少し垣間見ています。
posted by 花 at 01:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 駄文 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック