今回は二冊同時レビューです。なんせ二冊同時発売。
好きな作家さんの作品が同時に楽しめる。ヤバい。ワクワクが2倍ですよ。二冊同時発売。
竹書房のまんがライフで連載している「かてきょん」、ぶんか社の主任がゆく!SPで連載している「吸血鬼にっき」
どちらにも共通する点があります。
同じ作者だからこそ出てくるその特徴とは果たして。
■あづま笙子さん「かてきょん」2巻天然お馬鹿な女子高生らいらさんと、成績優秀な生真面目小学生カムイくんのドキドキ家庭教師4コマ。
小5のショタと、高校生のお姉さん。こんな二人の良い関係。つまりおねショタ!
勉強が趣味とまで言い切れてしまうほど成績優秀・品性方向・真面目なカムイくんがしっかり責任をもってらいらに勉強を教えるも、良くも悪くも天真爛漫・お馬鹿ならいらに苦労しっぱなし。
それでもしっかり教えようとするカムイくんマジ真面目。
小学生の男の子が、女子高生の女の子の部屋で二人きりになって、お勉強するんですよ。
カムイくんが意識しないはずがありません。
はい。ニヨってきますね。
徐々にらいらを「教え子」ではなく、女性として意識するカムイくん。
しかしらいらは変わらずカムイくんに対しては「先生」として接する。
たぶんらいらのおつむが、「カムイくんはセンセイ」で固定化されてるんですね。そのセンセイは小学生なのに。
らいらは単純な子なので、それが置き換わることがない。
つまりカムイくん、男と認識されてません。ワォ。
でも、らいらのことを考えてのあれやこれやは微笑ましさを感じる上に、らいらからの不意打ちドキドキアタックに赤面して動揺するカムイくんの姿は可愛らしい。
肩透かしを喰らったり、おあずけ喰らったりしながらも、しっかり勉強を教えるカムイ先生。本当に真面目。
高校生に勉強を教えられるほどの頭脳を持つ小学5年生のカムイ先生でも、恋のアレコレは未熟なの☆
まぁ小5ですものね。
2巻では、場を荒らしに来たのか謎の化学教師も登場。
そして進級イベントで何かが起こる…!?
-追記:進級イベントは3巻の収録になるようです。申し訳ありません。あづま笙子さん「かてきょん」2巻は5月14日発売!
■あづま笙子さん「吸血鬼にっき」1巻吸血鬼がやっているという雑貨店に勤務することになった人間のはなちゃん。
店にやってくるお客さんは吸血鬼ばかりというが、基本的に皆良い人(ひと?)ばかり!?
人外異文化交流4コマ。
美人吸血鬼の店主ジルさん年齢不詳。
ヨーロッパから来たばかりで日本文化は勿論人間文化にもまだ馴染みの薄いシーザーさん推定144歳。
狼男のポチ。推定50歳。
こんな奇妙奇天烈摩訶不思議な人たちと、人間のはなちゃんは渡り合っていけるのか!?
常識人で非の打ちどころがないほどに「普通」の人間のはなちゃんは、人外に懐かれるタチなのか、吸血鬼のお客さんだけでなく、シーザーさんとポチにも翻弄されてしまいます。
シーザーさんは軽薄かつ吸血鬼めいた悪戯好きだけど、悪気はないし他意も殆ど無い。
でも、時折見せる思いやりのある行動に、はなちゃんはドキッとしちゃう。
だいたいの場合は異文化による誤解や勘違いだったりするのですけども!
ポチは行動が犬そのものだし、人間の姿を取っても小学生並みの行動パターン。
純真そのものの行動は、まさに犬!狼男だけど!犬!
けれども、なまじっか男の子の姿をしてるものだから、無邪気に擦り寄ってこられるとドキッとしちゃう。
人間・吸血鬼・狼男の間に出来た奇妙な三角関係。
これも良いおねショタ。
吸血鬼といえど、世界に息づく一つの人種。割と人間世界に溶け込んでいるようです。
そんな世界の吸血鬼専門店では、新鮮な血液パックを販売しております♪
あづま笙子さん「吸血鬼にっき」1巻は5月14日発売!
さて。最初のお題に戻ります。この2作品における共通点。
おねショタが共通点、と思うかもしれません。
ではなくてですね、私の中での解は、
『特殊環境下における異性に対するトキメキ』です。
かてきょんはカムイせんせーが主役で、彼目線で物語が進みます。
年上相手に家庭教師。しかも相手は女子高生。小学生であろうと生真面目くんであろうと、ドギマギするでしょう。しますよね?
そんな彼のドギマギしている様を楽しむのです。
そう、我々読者は、らいらの妹・友人と同じ立ち位置に立てるのです。傍目でニヤニヤしながら眺められるのです。役得!吸血鬼にっきは、はなちゃん目線。
吸血鬼だし狼男だし、人間の感性と同じであるはずがない。けど、なんでだろう。なんだかドキドキしてるはなちゃん。
ちょっと意味ありげに語るシーザーさんの言葉に翻弄されたり、無邪気になついてくるポチを男として見て戸惑ってしまったり。
そんな可愛い赤面っぷりを楽しむのです。
そう、この奇妙な三角関係を眺めていられるのも読者の特権!という具合に、カムイくん・はなちゃんの戸惑い慌てふためくさまをニヨニヨと眺めるのが、あづま笙子さん作品の醍醐味なのである。というのが私の解になります。
是非、慈愛の眼差しで両作品の登場人物を眺めてみて下さい。
きっと優しい気持ち(と、少しのSっ気)になれると思うの。
あづま笙子さん「かてきょん」2巻 「吸血鬼にっき」1巻は5月14日発売!